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2.182025
床下断熱リフォームは、これが最適!

今日は床下断熱リフォームの話しです。
目次
古い家の床下の断熱材は?

上記はご相談いただいたお客様からいただいた矩計図(詳細図)です。
このお客様は2018年引き渡しですので築7年です。
大手のビルダー(数を沢山売る工務店)でTVCMを流してる全国で有名なグループの建物です。
大手の築7年がどれだけの断熱性能なのか、検証していきます。
■ この家の既存の床断熱の性能は?
図面に記載の断熱材の項目を確認していくと4種類書かれています。
これは「この4種類の内、どれを使ってもいいよ」というものです。
大手の場合、実際の工事は下請け工務店が実施していることが多いので、工務店の都合で良いですよという意味です。
■断熱材を検証
高性能グラスウール24-36:24Kの高性能グラスウールで、熱伝導率λが0.036のものです。
(ア)35:厚みが35mmです
これらを用いて熱抵抗R値を計算しますと、厚み(m)÷熱伝導率(λ)=熱抵抗値R
0.035÷0.036=0.97222…. となり、Rは小数点2位を四捨五入なので
熱抵抗R:1.0 となります。
他の断熱材も検証したのが以下の表で、どれも熱抵抗R値が1.0付近です。

■どれだけの性能があれば快適なのか?
では床下に設置する断熱材がどれだけの性能があれば快適なのか?
参考になるのが、断熱等級ごとの仕様基準です。
詳しく説明した動画がYoutubeで2本あります。それぞれ1時間動画ですがご興味のあるかたは参照してください。


上記の動画が参考になりますが、床断熱で求められる性能は熱抵抗値R2.2ですが、既存の断熱性能(熱抵抗R)は1.0しかありません。

これでは床が冷たく寒い家ですね。
そこで、床下断熱リフォームです。
床下断熱のリフォーム
床下断熱リフォームはいくつか種類があります。
そこで最適な断熱材を考えていきます
■床下断熱の隙間を塞ぐ工事
「チャンネルあきMy Home Recovery」さんYoutubeで紹介している工事で、断熱材の隙間を塞ぐ工事です。
気密工事などと話していますが、語弊がある言葉ですので、隙間を塞ぐ工事と記載いたします。
この工事は既存の断熱材が十分な性能がある場合に行う工事で、隙間や穴開きなどの為、本来の性能発揮できていないときに行います。
断熱材はそのままですので断熱性能不足の場合は、この工事では性能向上は僅かです。
今回の事例では、そもそも断熱性能が不足しているのでこの工事は採用しません。

■100倍~120倍発泡 吹付け硬質発泡ウレタン工事
吹付け発泡ウレタンによる床断熱工事は、効果も高く人気です。
また配管穴なども埋まりますので、気密化工事が完了します。
吹付け発泡ウレタンには、「価格が比較的安い100~120倍発泡のA種3」と「高品質な30倍発泡のA種1H」が住宅ではよく使われます。
A種3は、熱伝導率λが0.040になります。
今回は熱抵抗値R1.0からR2.2以上に向上させたいので、R1.2以上の向上が必要です。
厚みですと50mmで、0.05÷0.040=R1.25となります。
ただA種3は、膨らみやすい断熱材で、厚みのコントロールが難しい断熱材です。
壁や天井に吹き付ける場合は、作業しやすい環境なので、厚みのコントロールは可能ですが、床下の場合は寝転びながらの作業となり厚みのコントロールが難しく、膨らみすぎてしまいます。
そのため、吹き付ける作業面である木部の空間が大きい必要があります。
具体的には大引90mm、根太45mmの合計135mm程度の空間ある場合に選択しています。
また、A種3は大きく膨らんだあと少し縮みますので隙間ができる場合があります。
細かなコントロールがしにくく、隙間を狙ってもう一度吹き付けることはできないので、隙間ができた場合は後日別途隙間埋め工事を行います。(上記の隙間を塞ぐ工事を行う)
また、吹付けウレタンA種3(100~120倍発泡)は基礎への吹付けはできません。
これは透湿抵抗が小さいので結露してしまうためです。
今回の場合は木部の隙間が60mmありますが、施工すると膨らみすぎてしまうことと、基礎も断熱したいので、吹付けウレタンA種3(100~120倍発泡)は選択しません。

■高品質な30倍発泡 吹付け発泡ウレタンA種1H
高品質な吹付け発泡ウレタンは、30倍発泡タイプのA種1Hです。
今回の住宅の場合、断熱材を吹き込める木部の空間が60mmと少ないこと、基礎も断熱したいので、この30倍発泡のA種1Hを選びます。
熱伝導率λ0.026と高性能です。(λは値が小さいほうが高性能)
今回は厚み50~60mm 熱抵抗R1.9~2.3を追加しますので、既存のR1.0と合わせて、R2.9~3.3程度の高性能を目指します。
また基礎部にも断熱が可能ですので、ユニットバスや玄関部などの基礎断熱部分にも施工します。
価格は少し高いですが、床下作業でも、細かく緻密な泡でしっかりと隙間をふさぎますし、基礎も同時施工可能ですし性能も高いので、Rigoloでは極力A種1Hをオススメしております。

■防蟻工事を事前に行いましょう
吹付け発泡ウレタンを施工すると、木部が見えなくなってしまいます。
そうなると防蟻処理ができません。
そこで事前に防蟻処理を行うことを推奨しております。
ホウ酸処理(ボロンdeガード)ですと、劣化しないため防蟻効果はずっと続きます。
※保証期間は最長10年です
いかがでしたか?
住宅ごとに最適な断熱材は変わります。
Rigoloではプロの目線で最適なプランをご提案いたします。