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縦横クロス胴縁における、通気層の空気の動き

クロス胴縁

縦横クロス胴縁における、通気層の空気の動き

予備知識:絶対湿度と湿気の動き


冬の室内は、屋外に比べ『気温』と『絶対湿度』が高くなっています。
少し解説しておくと、湿度には普段使っている相対湿度と、絶対湿度があります。
相対湿度は、飽和水蒸気量を100%としての割合を「%」で表します。
飽和水蒸気量は温度により変化します。
一方絶対湿度は、空気1㎥(縦1mX横1mX高1m)あたりの水蒸気量gで表します。
単位は**.*g/㎥ (※空気1kgあたりの**.*g/kgというのもあり)
自然の法則で、温度、絶対湿度ともに、均一になろうとします。
温度を均一になることを妨げているのが断熱材で、断熱材は熱の伝わりをゆっくり遅くします。
絶対湿度も同じようにゆっくり伝わりにくくする方法があり、それが素材の透湿抵抗です。
透湿抵抗が高いほうがゆっくり遅く湿気が伝わります。
基本の壁構成では室内の湿気が逃げていかないように、防湿気密シートを室内側に施工します。
しかし防湿気密シートのような透湿抵抗が高い素材でも、少しは湿気が伝わっていきます。
そうしますと壁体内(図では断熱材の位置)に湿気が流入していきます。
壁体内に湿気が増えますと、壁内結露の危険性が高まりますので、湿気を屋外に排出します。
そのため図の耐震ボードは透湿抵抗の低い素材を使い、屋外へ湿気を排出します。
このとき透湿防水シートは透湿抵抗が低いので湿気がぬけ、湿気は『通気層へ達します。

今回はこの『通気層』の話

クロス胴縁今回は通気層の話です。
通気層は壁から出てきた湿気を屋外へ排出するための通路です。
この湿気の通路を『通気層』と言い、これを使った工法を『外壁通気構法』と言います。
通路ですので、途中で塞がれていたり出口が無いのは駄目です。
さて、この通気層を作るためには『通気胴縁』(つうきどうぶち)と呼ばれる木材を使って空気の通る空間を確保します
この通気胴縁の施工法によって『縦胴縁』・『横胴縁』・『縦横クロス胴縁』の3種類あります。

実は空気があまり流れていない横胴縁

外壁材が縦長の材料の時に、この横胴縁(よこどうぶち)を使います。
ガルバニウム外壁や、窯業系サイディングでも縦長に素材を使うときはこの横胴縁を使います。
2m以内ごとに、3cm程度の隙間を設け、そこの隙間から空気(湿気)が抜けるという考えです。
以前見た建築雑誌の記事で「煙を流し空気がどのように動くのか」と検証記事がありましたが、下から1m程度までしか煙が上がらず、空気があまり流れていないという検証結果になっていました。
煙の動きと湿気の動きは必ずしも同じではありませんが空気の流れは弱いので、湿気のの動きも少ないことが予測されます。

最も多く使われている縦胴縁

外壁材が横長の材料の時に、この縦胴縁(たてどうぶち)になります。
窯業系サイディングでは、外壁の材料が横長のことが多いので、最も多く用いられています。
こちらは縦に空気は動きやすいので、一見良さそうに見えますが、窓の下から流れてきた空気は、3cm程度の隙間からしか横に流れません
幅の広い窓になればなるほど、空気の滞留が起きます。
また軒天部との取り合い部分や、家の四つ角でも通気層がうまく取れていない場合もあるので、注意が必要です。

空気が自由に動き回る縦横クロス胴縁

Rigoloが採用しているのが、縦横クロス胴縁です。
当社は外壁材を縦長の素材を使うことが多いので、外壁を留め付けるのが横胴縁になります。
その状態ですと、縦胴縁が下側、横胴縁が上側になります。
この方式ですと、縦横の木材に段差があるのでそこに隙間ができ、縦方向も横方向も自由気空気が動きます
それにより窓下などの空気も問題なく空気が流れます。
また建物四つ角部も空気が動きますし、最上部の軒天との取り合い部も空気の通り道の確保もしやすく、最適な通気層が確保できます。
以下はRigoloの家の通気胴縁の写真です。
Rigoloでは家を長持ちさせるために、色々な対策を実施しております。
この通気層の縦横クロス胴縁もその長持ち対策の1つです。

 

 

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