Ua0.30 塗り壁の高性能住宅

 

断熱性能 Ua値:0.30 / HEAT20G2(G2.5) / 断熱等級6(6+)
気密性能 C値:0.2c㎡/㎡
省エネ性能 太陽光含む:144%削減 ZEH住宅
太陽光除く:44%削減 省エネ等級6【最高等級】
耐震性能 耐震等級3 許容応力度計算【最高等級】
建物概要 総2階建て 準防火地域
外壁:エコサーム(塗り壁)
省令準耐火
長期優良住宅
断熱材 天井断熱:高性能グラスウール16K 340mm
壁内断熱:高性能グラスウール16K 105mm
壁付加断熱:EPS4号 50mm
基礎断熱(深基礎側):押出ポリエチレンフォーム3種D 75mm
基礎断熱(一般側):押出ポリエチレンフォーム3種A 75mm
窓サッシ、玄関ドア YKK APW330防火、APW330 樹脂サッシ
YKK InnobestD50 高断熱玄関ドア
空調設備 床下エアコン 、 最上階エアコン 、 Rigolo空気循環システム 【全館空調】
24時間換気システム 一種熱交換換気 マーベックス 澄家
太陽光パネル maxeon(サンパワー)6.4kw パネル40年保証品

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CONCEPT

塗り壁の高性能住宅

■配置計画

こちらの物件は、住宅街の角地で、南北側の道路に角度のズレがほぼなく、日射取得に有利な土地でした。
南面に大きく窓を設けることで、冬に晴れていれば暖房が不要です。
また夏の暑さ対策には庇を設け、暑い日差しが直接入らないよう計画しています。
南側に玄関を設けるとプライバシーが気になりますが、目線の高さほどに木調のフェンスを設置し、通行人の視線や駐車している車など不要な物は視界からカットしています。
住んで心地よい空間を目指して配置計画をしています。

■住宅性能について〈塗り壁外壁 付加断熱〉

左官仕上げのエコサームという外壁を採用しています。
塗り壁には色々な施工方法があるのですが、こちらの外壁はEPS断熱材の上に左官仕上げを行う外壁材です。
EPSは広く「発泡スチロール」に分類され、外断熱(付加断熱)を兼ねることができます。
内断熱のグラスウール+外断熱のEPS断熱材を組み合わせ、Ua0.30w/㎡kの高断熱住宅を実現しています。
EPS断熱材を使った塗り壁の外壁は、他の種類もあるのですが、こちらのエコサームはEPSの裏側に溝が切ってあり雨漏り対策がしてあること、外に塗っている左官材の透湿抵抗により、冬型結露が大丈夫なのはもちろんですが、夏型結露にも相性の良い外壁になっています。
当社では気密検査を実施しており、こちらのお家ではC値は0.2c㎡/㎡です。
家全体で5cmx6cm程度の隙間しかないので、隙間風を感じることはありません。
省エネ性能は、国の基準と比べ太陽光がついてない状態でマイナス44%、太陽光を含めると144%削減になるので、余裕でZEH住宅になります。
準防火地域であったため、窓は「APW330防火」ペアガラスの樹脂窓を中心に採用しています。
玄関ドアや一部窓は、防火の規定の外になりますので、防火でないAPW330、YKK InnobestD50にすることが出来ました。
敷地内の一部が防火の規定の外の場合、そこに玄関ドアや大きめの窓がくる配置にすると少しコストが下がります。
換気は一種熱交換換気「マーベックス社の澄家」を採用しています。
許容応力度計算(構造計算ともいう)による耐震等級3で、しっかりとした耐震性を確保しています。
またこの方式ですと取得が難しいのですが、長期優良住宅を取得しています。

■プランについて

玄関を入るとガラスをはめた室内窓があります。
枠内に小型のダウンライトを仕込み、小物のレイアウトを楽しめる、ショーケースのようになっています。
天井までのハイドアの建具を多く採用しているので、空間が広く、開放的に感じられます。
大型のフラット対面キッチンには、海外製食洗機のミーレを採用しています。
換気扇は同時給排タイプで、換気扇を動かすと給気もされるので、冷暖房の熱を捨てる量を少なくできます。
また電子シャッターを付けており換気扇停止時にはフタが閉まるので、暖気、冷気の流入がありません。
これを付けていないと冬に寒く感じてしまうのですが、電動シャッターの提案が無い会社も多いので、必ず設置するようにしましょう。
和室の一角には、造り付けのカウンターがあります。
季節の飾りを楽しんだり、床の蓋を外せば、掘りごたつ式のスタディーカウンターになります。
キッチンの横には階段下を活用したパントリーがあり、そのまま洗面室に抜けられるので、家事効率の良い回遊導線になっています。

■Rigoloオリジナルの全館空調

こちらのお家は全館空調です。
全館空調というのは家中どこでも、夏涼しく冬温かい空間を実現することです。
空調とは、一般的には、温度湿度を快適にすることなので、主に暖房・冷房と除湿・加湿のことです。
そこに換気を加え、空調ということもありますが、換気のみで空調とは言いません。
高性能住宅は断熱性・気密性が良ければそれでOKと思っている方もいると思いますが、実は空調はとても大切です。
高断熱住宅で空調計画がされていなければ、車の両輪の片輪のない状態です。
Rigoloでは独自の空調計画をご提案しております。
過去の住宅業界では、各部屋にエアコンをつける方式でしたが、これでは廊下やトイレ、脱衣所などと温度差が出来てしまいます。
家中快適にするために全館空調になるのですが、現在の住宅業界では3種類ほどのやり方があります。
1)大手ハウスメーカー中心に行われているのが200~300万円するダクトによる全館空調システムを入れる方法
2)全館空調システムを販売しているグループに加盟して、グループ固有のシステムを活用する方法
3)一般的な壁掛けエアコン使い、住宅の高断熱高気密化と合せて、全館空調を実現する方法
Rigoloでは(3)の方法を活用しながら、Rigolo独自の空気循環を行い、全館空調を実現しています。

■床下エアコン(暖房用)

1階に設置する暖房用のエアコンです。
床上に設置したエアコンから床下空間に送られた暖気は、基礎内を巡り、ガラリの穴から室内に上がってきます。
気流(風)があると寒さや乾燥を感じやすく、エアコンによる暖房は敬遠されがちです。
しかし、床下エアコンは気流感の少ない暖房方式で、床自体も暖かくなることにより、床暖房のような効果もあります。

■冬の乾燥対策

エアコンの暖房は乾燥すると言われるのですが、これはエアコンだから乾燥するという訳ではありません、乾燥の主な原因は換気と発生する水蒸気の不足です。
私達高性能住宅をつくっている住宅会社では、よく利用する指数として「絶対湿度」があります。
いつも利用している湿度は相対湿度で、飽和水蒸気量に対して何%の水蒸気があるのか表す数値です。
絶対湿度は、空気1㎥(立米1mx1mx1m)あたり何g(グラム)の水蒸気があるのか?という数値です。
冬の快適な空気23℃50%の場合、空気1立米に含まれる水蒸気量は10.28g程度です。
この地域の冬の朝は0℃70%程度ですので、空気1立米に含まれる水蒸気量は3.39g程度です。
法令通り換気しますと、建物の気積(空気の面積)を2時間で1回換気します。
湿気のある空気を捨て、乾燥した空気を取り入れると、エアコン暖房は加湿できませんので、どんどん乾燥してしまいます。
ちなみに室内発生水蒸気が0で、エアコンの暖房で室温をキープした場合は、最終的には室内の湿度は16.5%程度まで低下してしまうので乾燥します。
Rigoloの家では、浴室に換気扇が2個ついており、1つは通常の屋外に排出するための換気扇、もう1つは風呂場の湿気をLDKへ還流する換気扇で、冬の加湿に活躍します。
全熱タイプの一種熱交換換気、洗濯物の部屋干しによる加湿、浴室の湿度の活用、以上の3つを組み合わせると、冬に加湿器のいらない暮らしも可能です。

■最上階エアコン(冷房)+空気循環システム

こちらのお家では、階段上にあるエアコン1台で家中を冷やします。
冷房をかけると除湿にもなりますので、夏の蒸し暑さの低減にも繋がります。
また各居室の天井には循環ファンを設置しており、各部屋の上部に集まった、熱い空気を吸い出し、エアコン上部にリターンをし吐き出しています。
これによりエアコン→居室→エアコンへの空気の大循環ができ、効率的に冷房を動かすことができます。
階段空間が吹き抜けになっており、空気の通り道にもなります。
吹き抜けは寒いから後悔しているという話もよく耳にしますが、高断熱なら心配ありません。
オープン階段はお家のシンボル的存在にもなりますので、見た目と実用性を兼ね備えた空間を実現することが出来ます。

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