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Ua値とは?

皆様こんにちは、今日は断熱の基本の話です。
断熱性能を示す数値は現在では「Ua値」が使われています。
そのUa値とは?なにか解説していきます。

■Ua値とは?(外皮平均熱貫流率とは?)

家の外周1㎡あたり、内外温度差1℃の時、何ワットの熱が逃げるか?という数値です。
別の言い方をしますと天井、壁、床、基礎、開口部(窓や玄関)から逃げる熱を、外皮面積で割った数字です

単位はw/㎡k(ワット・パー・ヘイベイ・ケルビン)です。
この単位はW:○○ワットの熱が、/㎡:1㎡あたり逃げますよ、K:1時間あたり、という意味です。
値が小さければ小さいほど、熱の損失が少ないということになります。
ちなみに「Ua値×外皮面積×温度差」で、1時間あたりの熱損失量(ワット)が計算できます。
順に説明していきます。

■おおよその外皮面積と熱損失量

簡単な例で説明しますと30坪で、長方形の家ですと、外皮面積は250㎡ぐらいです。
ざっくりの内訳は、
床断熱の住宅で 天井50㎡、外壁145㎡、窓20㎡、床40㎡x0.7、基礎10m=253㎡
床は0.7の係数を掛けます。
基礎断熱の住宅で天井50㎡、外壁145㎡、窓20㎡、基礎30m=245㎡
細かい数字は計算がわかりにくくなるので、250㎡で計算します。
ちなみに、L型の家ですと15㎡ぐらい増えたりします。
あと2坪増えるとざっくり15㎡ぐらい外皮面積が増えます。
家の熱損失の計算は、例えばUa値が1.00ですと、
熱損失は250x1.00=250w/k(内外温度差1度の時の熱損失)
25度の温度差なら250x25=6,250w(冬を想定)
1時間で6.25kwの熱が逃げる計算です。

■Ua値のaとは、外皮面積とは?

Ua値(外皮平均熱貫流率)のとは、アベレージのaなので、平均という意味です
U値は熱貫流率です。これ素材や部位1㎡あたり内外温度差1℃の時、何ワットの熱が逃げるか
という数値です。単位は同じ「W/m2・K」です。
外皮面積とは、屋外の空気に触れている面積と思っていただければ、ほぼあっています。
なので基礎断熱の場合は床面は屋外の空気に触れていないので計算しません。(基礎の長さで計算)
床断熱の場合は、床下は外気が流れてるので、計算しますが、係数0.7を掛けます。

■Ua値1.00、0.50、0.25とは、断熱材の量が2倍、4倍です。

凄くざっくりとした表を示します。

U値が半分になれば、熱損失は半分になり、Ua値も半分になります。
一番下の表は四捨五入されていますが、実際は0.13ではなく、0.125です。
Uaを1/4にしようすると、U値の1/4にしなければいけません
例えば一番上の表の天井U値0.50ですが、グラスウール10K=100mmでちょうどその数値です。
ということはU値0.25は、グラスウール10K=200mm2倍の厚みが必要です。。
さらにU値0.13(0.125)は、グラスウール10K=400mm4倍の厚みが必要です。

■断熱等級4(最高等級)の家は寒い

愛知県名古屋周辺、東京、大阪などは6地域という区分になっています。
断熱等級は4が最高で、そのUa値は「0.87」です。
まずはUa値から温度差1℃の熱損失を計算します。
そうすると、250㎡xUa0.87=217.5w/kになります。
これが冬で外が-2度、室内23度の気温差25℃なら、
217.5x25=5,438wの熱が1時間で家から逃げている計算です。
実際は隙間C値の熱損失、換気の熱損失も加わりますが、今日はUa値の話なので計算しません。
まあ、断熱等級4では、多くの熱が逃げる寒いということです。
なので、建売業者さんとかが「当社の家は最高の断熱性能です」というウリ文句を言ってきたら、必ず「Ua値はいくつですか?」と聞きましょう。

■Ua値ごとの熱損失を表にしてみた

Ua値が良くなる(数値が小さくなる)と熱損失は減っていきます。
それを表にしてみました。

Rがついているのは当社の仕様です。
●平成4年基準の断熱等級3は、熱損失ハチャメチャ多く暖房効きが悪いです
●平成11年基準(平成28年基準ともいう)の、断熱等級4も、熱損失は凄く多く寒い家です。
ZEH基準はだいぶ減ってきますが、あと一歩という感じです。
という感じで見ていくことになります。
断熱性能がよくなると、Ua値は小さくなり、熱損失量も減ります。

■どこまでUa値を良くすれば良いのか?HEAT20が参考に

Ua値はどこまで良くすれば良いのか?
それには3つの要素があり、1.快適さ(温度)2.光熱費(生活コスト)3.建築費(初期コスト)です。
そのうち1.と2.は、それはHEAT20が参考になります。

HEAT20G3とは
HEAT20では、快適な生活の最低基準をG1としています。6地域の場合は0.56です。
想定としては非暖房室でもほとんど10℃を下回らない。結露がほぼ起きないということを想定して基準を決めたようです。
HEAT20G2では0.46です。高断熱高気密住宅にしたい方は、まずはこのG2をクリアすることをオススメします。また全館暖房しても断熱等級4の居室間欠暖房(間歇暖房)と同等程度の暖房費で済みます。
超高性能断熱を目指すならHEAT20G3のクリアになります。ここまでくると全館暖房しても光熱費は少ないですし、温度差の無い空間になりとても快適です。
なので高気密高断熱住宅で「どこまでUa値を良くすればいいか?」と問われたら、「Ua値0.26」のHEAT20G3が頭の良い方たちが導き出した数値ですので、一般的な答えとなると思います。

■さて、もう一つの重要な要素が、建築費(初期コスト)です。
工務店によってどこまでUa値を良くすれば良いのか?の数字が変わる原因はこの建築費にあります
どれだけ高い金額になってもその工務店が施工できる最高性能を伝える場合もありますが、一般的にはコスパよく提供できるのはこの性能まで。という数値をいうのでは?と思います。
ちなみに私がその質問に答えるのならRigoloではUa=0.22程度までコスパよく提供できるので、Ua0.22程度までが良い」と言います。

■断熱性能と建設費(初期コスト)

工務店がどれだけの性能までコスパよく提供できるのか?

断熱性能を良くしていくと建設コストが上昇します。
前に書きましたがUa=1.00と0.50と0.25で比較すると、断熱材の量が1倍、2倍、4倍と上昇していき、
当然断熱のためのコストは2倍4倍と大きくなっていきます。
私の今までの経験や、周りのお話なども総合しますと、
■0.39程度:コツを掴んでいる工務店なら対応可能なので、高断熱高気密住宅ならこれぐらいはコスパよく建設できると思います。Rigolo標準仕様がおおよそこれぐらいです。
快適に暮らせ、全館冷暖房でもそれなりに光熱費が削減でき、建設コストも安くなります。
■0.32程度:付加断熱できる工務店。できる工務店は数が限られるのと、コスパよく提供できる会社は少ない。0.35切る程度になると温度差が少なくなりとても快適です。当社のお値打付加断熱仕様でコスパがとても良くご予算が出せるなら推奨しています。
■0.26程度:付加断熱とトリプルガラスは必須。施工できる工務店は僅か。施工できても建築コストが高い場合が多いので、コスパ良く提供できる会社は希少。
■0.24程度:Rigoloの高性能仕様です。高い性能としてコスパ良いのでおすすめです。温度差はとても少なく、超快適です。基本的にはこれ以上の断熱はそれほど意味がないのでは?と思います。
■0.22程度:Rigoloの超高性能仕様。当社はここまでコスパよく提供できます。0.24の時と比べ体感は差があるのか、ここまで断熱性能がよくなるとよく分からなくはなりますが、光熱費は削減できます。
当社の場合は0.24程度との価格差がそれほど大きくないので、ここまではご提案することがあります。
■0.20程度:当社はここまでなら断熱材の変更で対応できますが、施工手間も増えてきて、コストが上昇してきます。ただまだ許せる範囲のコスト上昇幅です。しかしコスパとしてはイマイチで追加コスト分が回収できるかは疑問です。
■0.17程度:当社が現在できる最高性能。窓もクリプトンガスの最高性能にして、いろんな施工の工夫をすることで、今の断熱施工の応用でここまでの性能が達成できます。
でもお値段高く費用対効果は正直無いですが、最高性能にしたい方はご相談ください。
※上記数値はモデルプラン(弊社社長宅で計算した場合の断熱性能です)

■まとめ

Ua値とよく聞きますが、何のことか説明しているブログや動画が殆どないので、結局なんの数字?となっていたのでは?と思います。
工務店でもUa値は数字が小さい方が良いけど、なんのことだか解ってない人が多いです。
このブログを見る方は高性能の家を望んでいるかと思いまので、家さがしのときにUa値を気にされると思うのですが、考慮している工務店のUa値がどれぐらいか?を聞くのと一緒に、「ねぇねぇ営業さん、ところでUa値ってなあに?」って聞いてみてください。
うまく答えられなかったら、チコちゃんに叱られる!のように「ボーっと生きてんじゃねーよ」ってやってみてくださいww
また、「当社の家は電気代が安くなる」と言っている場合、この表の一番上の6地域断熱等級3と比較していることが多いので、そりゃ安くなるのは当たり前ですので、ちゃんと何と比較しているのか?確認しましょう。
Rigoloでは、検証できる数値で、科学的に理論的に説明することを心がけています。
科学的とは、だれがやっても同じ結果になり検証できるものを指します。
このブログが皆様の参考になればと思います。

▼Ua値をゲームに例えた動画

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